保育士の採用のほとんどは書類選考の後の面接で決まりますが、中には採用試験を課す園もあります。
採用試験の多くは、テストではなく作文や小論文です。
では、採用試験がある場合、どのようなことに注意するべきなのでしょうか。
対策をまとめました。
採用試験における「作文」「小論文」対策
-「作文」「小論文」
採用試験の作文や小論文は、複数のテーマから個人で書きたいものを選べる園と、テーマがすでに決められている園があります。
求人情報をチェックし、試験がある保育園を受ける場合はしっかりと対策をしておきましょう。
作文と小論文の違い
作文と小論文では求められる内容が異なります。しっかりとそれぞれのポイントを押さえ、
適切な回答ができるようにしましょう。
作文とは?
作文とは、テーマに対して自分の思いを伝えるものです。自己PRに近く、経験や体験をもとに書けるテーマが多いのが特徴です。
【ポイント】
・体験談ベースに話を進める
・人柄を伝える
テーマに対して体験談を加え、思いが伝わるように書きましょう。
小論文
小論文とは、テーマに対して自分の意見を伝えるものです。どんな意見を持っているのか、
あなたの考えを見ようとするテーマが多いのが特徴です。
【ポイント】
・客観的に考えられるか
・社会の関心度
「私は〇〇だと思う。しかし、△△と考える人もいるかもしれない」など、
客観的に物事を考える力も必要です。
作文対策
作文の書き方の基本
〇起承転結に沿って書く
作文は、起承転結に沿って文章を構成することが基本です。
例:テーマ「保育士を目指したきっかけ」
【起】小さい頃は寂しがり屋だった
まずは、あなたが保育士を目指すきっかけとなった事実を伝えましょう。
【承】毎日親の迎えが遅く、寂しい思いをしていた
きっかけに影響した出来事や、それによってどんな思いが生まれたのかを書きましょう。
【転】先生がいろいろな遊びを提案してくれて、迎えまでの時間も楽しめるようになった
何をしたことによってどう変わったのか、明るい内容になるようまとめると良いですね。
【結】自分もそんな子どもに寄り添える先生になりたい
自分の経験をどう生かしていきたいのか、目標を絡めて書きましょう。
基本的な文章知識
原稿用紙の使い方
構成に応じて適切な段落替えをしましょう。段落数に決まりはありませんが、起承転結に応じて変えると読みやすいですね。
〇文字
文字数は800字程度、作文用紙2枚分のところが多いです。指定の文字数の8割は書くように意識しましょう。
また、一文の長さや、ですます調、である調などの文体の統一にも注意が必要です。
-よくでるテーマ例
・保育士を目指したきっかけ
・どんな保育士になりたいか
・今までの経験をどう保育士に生かしたいか
・保育士になってしたいこと
・この園でやってみたいこと
採用担当がチェックするポイント
採用担当者は、あなたの人柄や保育士として働く上での意欲を見ています。
自分の経験をどう生かしたいのか、思いが伝わるように書きましょう。
小論文対策
小論文の書き方の基本
〇序論、本論、結論に沿って書く
小論文は、序論、本論、結論に沿って文章を構成することが基本です。
例:テーマ「保育現場に求められているものとは」
【序論】わたしは、子どもの気持ちを読み取ることが大切だと思います。
まずは、テーマに対しての自分の意見を明確に提示しましょう。
【本論】例えば、子どもが何かしてしまったとき「どうしてこう行動したのだろう」「何をしたかったのだろう」と一度考えたのち、「〇〇だったの?」と聞いてあげることで、子どもの気持ちに寄り添うことができるのではないでしょうか。
「序章」で述べた意見に対して、説得力のある内容にしましょう。具体例をあげたり、読み手に問いかけたりと、納得してくれるように書き方を工夫すると良いですね。
【結論】
そのために、子どもひとりひとりに目を配り、大人の目線だけではなく子どもの目線でも物事を考えられるようにしていきたい。
「本論」で述べた意見を、今後の目標をプラスして再度提示しましょう。
基本的な文章知識
〇原稿用紙の使い方
構成に応じて適切な段落替えをしましょう。全体で3~4段落でまとめるのが適当です。
〇文字
作文同様、文字数は800字程度、作文用紙2枚分のところが多いです。指定の文字数の8割は書くように意識しましょう。また、一文の長さや、文体の統一にも注意が必要です。
よくでるテーマ例
・保育現場に求められていることは何か
・児童虐待問題について
・保育園の役割
-採用担当がチェックするポイント
採用担当者は、あなたの人柄や保育士、社会人としての基礎知識を見ています。社会的なテーマであなたの意見を求めていることが多いです。しっかりと自分の意見が伝わるように書きましょう。
まとめ
作文と小論文対策についてまとめましたが、いかがでしたか?
作文と小論文では、求められている意見は大きく変わります。それぞれの書き方やテーマのポイントを掴み、的を射た回答ができるように対策をしておきましょう。
日頃から文章を書く練習をしたり、社会的問題にも耳を傾けるように意識することも必要です。